久しぶりにヤフオクを眺めておりましたら、一枚の未仕立ての黒留袖に目が留まりました。(黒留かあ〜、おひとりさまの私には一生縁がない代物だわい)といったん画面を閉じたのですが。

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ちょっと待って。この手描きのお侍さんたちの顔、なんだかとても懐かしい感じがする。幼い頃、母が手作りしてくれた絵本の登場人物たちの顔にそっくり!このヘタウマなタッチ、まるでお母さんの絵そのものじゃない!

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迷いましたが、心の琴線に触れる捨てがたい魅力を感じて、とりあえず材料用でキープしておこうと落札しました。二千円でした。

落札した後、この黒留袖をどうリメイクしようかいろいろシュミレーションしたのですが、自分の本心は「黒留袖として着てみたい」というものでした。合わせる帯も、先日手に入れた威毛錦の袋帯とピッタリなのではないかと。

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しかしながら独身の私には黒留袖を着るようなシチュエーションが無い。私の立場で、結婚式列席に黒留袖を着るのは非常識だよね?

でも樹木希林さんみたいな柔軟な発想で、お祝いの会などここぞという晴れの場で第一礼装の五つ紋の黒留袖(振袖)を着るのも素敵じゃなあい?

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幸い、私が選んだ黒留袖の裾模様はあっさりした手描きの戦国絵巻で、金彩銀彩がゴージャスに施された格調高い吉祥文様ではないので、いかにも結婚式という雰囲気ではない。

といろいろ考えまして、おひとりさまではありますが来るべき還暦に向けて、自分への記念品に黒留袖を贈ることに決定しました。二千円だけど(笑)

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仕立てるにあたって私の希望がもう一つ。染め抜き日向紋を五つ紋でつけるのは勿論ですが、問題はその紋の大きさ。私は昔から、落語家の桂あやめさんみたいに大きめの紋をつけてみたいと憧れているのです。

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色無地に大きな染め抜き五つ紋、かっこいいなぁ〜と思いましてね。紋そのものが意匠になるよね。

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ご本人にお尋ねしたら、「船場センタービルで色無地の反物を買って紋を染め抜いてもらったことあるけど、着物より紋の加工代のほうが高こついた」とのこと。そりゃそーだ(笑)

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大きな紋は落語家だからでしょと思われる方もいるかもしれませんが、紋を入れる位置は決まりがあっても紋の大きさに決まりは無いそうです。一般女性が大きな紋にしてもルール違反ではない。

それに女性の紋が、現在よくある小さな紋になったのは第二次世界大戦以降のことで、それまでは大きいのが普通だったそうです。戦前のアンティーク着物についてる紋は大きいですもんね。

ということで、来年の楽しみができました。