2021年11月

ふっくらキマる縮緬の帯揚げ

清野恵里子さんに影響を受けやすい私。先日読んだ新刊『時のあわいに きものの情景』のコーデに合わせてらっしゃる帯揚げは、すべて三浦清商店さんの無地の縮緬と絽縮緬で、お色も燕脂、茜、朱、葡萄、弁柄、蘇芳と赤系統が多かったです。清野さんも好みが狭くて深い「ばっか喰い」のお方(ちなみに帯締めも道明の高麗組が突出して登場)でいらっしゃいますねぇ。

そっかー、縮緬の帯揚げかぁ。私自身が縮緬の帯揚げに抱いているイメージは「ぽってりして幼い」「初心者が最初に選ぶ帯揚げ」「もっさりしている」とさんざん勝手なことを思っていたのですが。

なるほど。よく考えてみますれば、縮緬の帯揚げほど結びやすい帯揚げはなく、ヘタっぴな私でも結び目がふっくらとピシッと決まることが多いので、ここぞというお出かけの時はほぼ、縮緬の帯揚げに頼っていますわ。

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スタイリッシュで素敵な着物民のTetekoさんもこのようにツイートなさっていますし。(Tetekoさん、リンクさせていただきます)

そうよね、私ったらさんざんお世話になってきた素晴らしい縮緬の帯揚げのことを、長年ないがしろに思ってきました。海より深く反省。

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本当に縮緬の帯揚げは失敗知らずで締めやすいです。

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冬だから、よけいに縮緬の良さが身に沁みているのかもしれませんが。

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私もTetekoさんのツイートにまったく同感で、すべての帯揚げをシボのしっかりした縮緬に買い替えたい!と思ってしまった。

私の手持ちの帯揚げ。左の下半分だけ縮緬です。

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でも縮緬以外の帯揚げも気に入っているのもあるし、今から帯揚げをすべて縮緬に買い替えるには贅沢すぎて、私には予算がありません😂

今、持っている縮緬の帯揚げも、15年ほど前に船場センタービルの呉服屋さんのワゴンに一枚500円で大量に売られていた正絹(もちろん新品)で、きっと国産物だったと思います。

着物好きの先輩が「たくさん持ってるとコーデに便利よ」と30色ほどお買い上げになってましたが、そのときに私も買えば良かった。30色買っても1万5千円やん。私は4枚しか買わなかったけれど、その4枚は今でも活躍中です。

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清野さん最後のきもの単行本(追記あり)

上品とかセレブとか逸品揃いとか。そんなカテゴリーを遥かに超越して、ご自身の美意識を通したきものの情景を、やさしく端正な筆致で執筆されてきた清野恵里子さんの新刊『時のあわいに きものの情景』が上梓されました。

時のあわいに きものの情景
清野恵里子 浅井 佳代子






今年3月に休刊した文化出版局『ミセス』に連載した記事をまとめた本で、6年前の前著『折にふれて きものの四季』の続編となります。

私が持っている清野さんの著書の一部。『折にふれて』も、その他の本も全部持っています。

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新刊が発売されたことを昨日知り、大急ぎで書店に行き、購入してまいりました。昨夜、一気に読みました。

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読了後、清野さんらしいと、もっとも印象に残ったエピソードです。「秋過ぐ」というページです。

玉城カマドさんの作品をお召しになり久米島紬には特別な思いがある清野さんですが、ある日、新井薬師の骨董市で心惹かれる一枚の紬を見つけられました。古着屋さんのご主人は「久米島だと思うけど」と少々自信なさそうな様子。破格のお値段で購入して、さっそく帰り道に悉皆さんに寄って洗い張り〜仕立て直しされたそうです。今もお気に入りの一枚だとか。

清野さんは、その名もなき紬のことをこう書かれています。

もし仮に、件の「久米島紬と思うけど」の紬が、正真正銘の久米島でなかったとしても、この布の魅力が損なわれるものではありません。

赤みを帯びた深い茶の地色に浮かぶ、緯絣で表現された小さな幾何学模様の繰り返し。緯糸だけで織り出す緯絣は、括った経糸と緯糸をきっちり合わせて丹念に織っていく経緯絣に比べると、きものの世界では、ちょっと軽んじられる傾向があると聞きますが、そんなことも大した問題ではありません。好きなものは好き。好き嫌いの物差しは、たぶん、この先も変わることはないでしょう。

素敵ですね。私も清野さんみたいに、自分自身の好き嫌いの物差しを、もっと自信を持って胸を張って大切にしていける人になりたいと思いました。

『時のあわいに』のカバーは古澤真千子作品「はる」、各章の扉も素描も古澤真千子さん、そして表紙は鈴田滋人さんの木版摺更紗「花合歓」(下の写真)です。

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そしてカメラマンは浅井佳代子さん。

清野さんは、あとがきで「本作りにいたるさまざまな経緯を思い浮かべると、今後、時折り、雑誌の誌面で取り合わせなどお目に掛けることはできても、新しい連載を始めることはまず無理だと思っています。そんなわけで『時のあわいに』は、きものの情景をまとめた、私の最後の単行本です」とお書きになっていて、長年の読者の一人として泣きそうになってしまいましたが、

あとがきを読み進めるうちに、清野さんがこの本を製作するにあたって、お世話になった方々への感謝の気持ちを込め、丁寧で悔いのない本作りを最後までやり遂げられた晴れ晴れとした気持ちが伝わってきました。一片の曇りもない、明鏡止水の心境で結ばれていて、感動。ああ本当に素晴らしい価値ある本だなぁと思いました。

ぜひ書店でお手にとってみてください。

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着物とお針仕事

先日、きもの文化検定を受けるときに着ていったポリエステルの薄羽織。11月に薄羽織は季節的に違和感があるかなぁ〜と思いましたが、当日の気温には薄羽織がちょうど良かったです。あと受検に集中するため、汚れを気にしなくて良い物を着たかったのです。薄羽織というより、ちりよけの感覚で着ました。これで良かったです。

しかし後から振り返って着姿を見てみますと、羽織紐の位置がずいぶんと上ですね。

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既製品の薄羽織なので、乳(ち=羽織紐をつける衿の小さな輪)の位置を自分サイズにお直ししましょう。さっそく測ってみました。

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乳の位置を一寸ほど下げることにしました。衿を解いて、いったん輪を取り外して、下方に付けて縫い止めましたが、はあああ〜裁縫苦手ですわ。この程度のことでも、手こずり大変でした。生来の不器用&老眼の進行で、お針仕事のハードルは上がるばかり💧

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あと、お尻の縫い目がちょっと開いてしまった正絹の長襦袢も自分で修理したのですが、間違えて木綿糸でつくろったので、縫い目がボコボコで不細工になってしまいました💧

もうお針仕事にかんして無理はしまい。自分でやって汚く仕上がってイヤになって着なくなるよりは、簡単なことでもプロにお願いしようと思いました。

文字商店さんは京都の老舗の悉皆さんですが、近所のおばあちゃんが「ちょっとここ縫うといてぇなぁ」と、普段のつくろい物を持ってこられるような気軽なお店でもあります。どんな小さなことでもニコニコ引き受けてくださる懐の深い文字商店さんに、私も丸投げすることに決めました。

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斉藤三才の着物を初おろし

今年、斉藤三才さんの色無地をお仕立てしました。以前から白い着物に憧れていましたが、同じ白でも黄みのある白と青みのある白では全然違うことを知りました。

顔色がイエローベースの私にはハードルが高いと知りつつ、今回憧れのホワイトグレーの着物に挑戦。遠目からは純白に見えます。

着物が無彩色ですので手持ちのどんな色の帯でも合うと思ったのですが、せっかくだから同じ作家さんの洒落袋帯を合わせてみました。

地元のKIMONO CLUBのお稽古で初下ろしをしてみました。まだ、しつけ糸がついてます。

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おおお、クールに着物イン南大阪(笑)憧れのホワイトコーデのお方に少しは近づけたでしょうか、、、。

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お太鼓にたたみじわが入ってしまったこと、背中心が歪んでいること(帯から下)、裾もまだ長いし、着付けは不満だらけです。

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でも白い着物って、もっと膨張して太って見えるに違いないと予想していたのですが、意外にそうでもないのですね。まったく似合わないのでは?と危惧してましたが、少し自信がつきました。

斉藤三才さんのお着物は、いつもの自分じゃないみたいで、エレガントな気持ちになりました。

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撃沈されたり浮上したり 笑

先日、BS放送の歌番組で神野美伽さんがお召しになっていたコーデが現代的で素敵だなぁ〜と思いましてね。

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THE演歌にならない神野さんのお着物の着こなしにいつも注目しています。幾何学模様の小紋に黒地の入子菱の帯、星の帯留も可愛いですね。

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第16回きもの文化検定の解答速報がホームページに掲載されたのですが、自己採点するのが怖くて見ないようにしていました。

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あああ、でも気になる。やっぱり自己採点して、現実を直視するべきか。それとも12月中旬に送られてくる合否通知の結果を待とうか。どうしよう、どうしよう。

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ああ、やっぱり気になって何も手につかない。悩んだ結果、思いきって解答速報を開いて自己採点してみました。

はい撃沈でした😭😭😭

合っていると思い込んでいた解答がことごとく間違っていて、一級はもちろん、このぶんだと準一級も厳しい状況です。わかっていたけどショックが大きく、この2日間立ち上がれなくて、寝込んでおりました😭😭😭

この間、無情にも会社から研修の呼び出しがあって重い身体を引きずりながらイヤイヤながら行き、まさかの肉体労働をさせられる展開になりました。老体に鞭打ちながら身体を動かしてきたのですがそれが功を奏したのか、気持ちの整理がついてサッパリしました。

また立ち上がって来年に向けて、コツコツ勉強を再開しよう。考えてみたら自分の勉強の仕方はサッと表面を撫でた程度でまだ浅く、どう考えても一級の水準には程遠いのである。基礎知識もあやふやな上、今回の一番の敗因はやはり記述問題がきちんと書けなかったということでしょう。

◯◯について80字以内で書け、△△と▲▲の違いについて200字以内で説明せよ、という記述問題は、今年の一級検定においては24点も占める比率の大きさで、ここを抜きにしては合格圏内に入ることは難しい。

今年は記述問題の勉強まで手がまわらず(というか難しいので避けていた)惨憺たる結果になってしまいました。ひとつ学んだのは、きもの文化検定の記述解答に求められているのは、それらしく見える流暢な文章というより、大事なキーワードが入っているかどうかみたいです。

来年に向けて、また明日から再チャレンジをスタートさせようと思います。

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そんな心が浮かんだり沈んだり、落ち着かない日々を送っていたのですが、岩手のファーストサマーウイカこと馬うーまさんが嬉しすぎるブログ記事を書いてくださいました😭😭😭←嬉し涙

私が使っていない南部桐下駄を送らせていただいたのですが、すごく喜んでくださって私もすごく嬉しいです。昔、自分で気に入って選んだ藍の十字絣の鼻緒が今の自分にはどうも田舎くさいと思っていたのですが、馬うーまさんの白くてほっそりしたおみ足、綺麗なぺディキュアに合わせると、スタイリッシュで艶めかしく変わったのでびっくり!この下駄を馬うーまさんに履いていただいて本当に良かったなぁ〜と思いました。

そして今さらながら馬うーまさんの驚異的な文章力に驚くばかり。すごい文才の持ち主でいらっしゃいます。私もあやかって、記述問題をちゃんと書けるようになろうと刺激をいただきました。本当にありがとうございました。

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