2018年03月

大人の桜の帯が少ない

桜が満開です。お天気も良く、お花見日和の昨日、母を連れて近所のお城に行ってきました。



昨年は父も一緒でしたので、桜を愛でながら一層寂しさが募りました。そうでなくとも桜の花は死生観を象徴しているようで、屈託のない明るい花ではない気がしています。私のイメージはどちらかというと陽ではなく陰なんです。

それだけに日本人の心情にふれるんでしょうね。陰翳礼讃の世界というのでしょうか・・・深いと思います。



桜といえば、この季節になると着物愛好家はいっせいに桜を意識したコーディネートを考えますよね。私も桜柄の帯が欲しくて、昨年末あたりからちょくちょくネットで探してみたんですが。

これが意外とないんですよ、大人の桜の帯って。圧倒的に日本を代表する国花ですし、和柄のなかでもダントツ普遍的な意匠なのに。桜の帯なんて、たやすく探せると思っていたのに、無い。むしろ梅のほうが多いと私は感じました。

若いお嬢さん向けの浴衣や、振袖の帯、ポリの半幅帯には多いんですよ、桜の柄。ところが、大人向けの桜の袋帯や名古屋帯って予想外に少なくて驚きました。(たまたま無かっただけなら、ゴメンナサイ)



なぜ大人向けの桜柄が少ないのか?これまた私の勝手な推測ですが、桜の着物や帯だけ、難しいルールみたいなものが流布されていて、買い手も作り手も売り手も敬遠しているのではなかろうかと。

桜の柄を着るのはつぼみまで?
いや、三分咲きまでOK?
満開の下で着るのは野暮の骨頂?
意匠化してたらOKで写実的はNG?
幹は? 枝は? 葉は?
散った花びらはどうなん?
はぁ、通年でもいいってか?

キーーーーーーーッ!!!わからん、メンドクセー!やめたやめた、桜の柄は。着物ケーサツに何言われるかわからん!

ということを買い手も作り手も売り手も、薄々みなさん感じていて、桜柄を敬遠しちゃってるんではなかろうかと。桜の咲くシーズンが毎年流動的で時季を読まないといけないことも、難易度を高くしているかも。

まあ、季節限定の柄をまとう楽しみこそ和装の醍醐味なんですけどね。あんまり難しく考えず、それぞれのこだわりとセンスで、好きに着たらいいと思います。

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着物とサンドイッチ

6連勤を終え、ホッとしたところで着付けの練習をば。

青の十日町紬に辛子色の名古屋帯。着物も帯も自分らしく馴染んでいて、気負いなく着られます。



前回、衣紋が詰まってしまったので、今日はちゃんと抜けるよう意識しました。



帯揚げは卵色、帯締めも黄味がかった白です。



背中のしわ、裾のシルエットなどまだまだやな〜。これはもう、どんどん自分で着てみて場数を踏むしかない!習うより慣れろ。



仕事場でも同じ。今月から朝一番の仕事としてサンドイッチを作っています。鴨肉やローストビーフをふんだんに使ったちょっと高級なサンド10種を、パンをスライスするところから始めて、完成させ、片付けるまで1時間で終えないといけないのです。込み入った細かい作業もあり、このゴツゴツした手で四苦八苦しながら作っておるわけですが(笑)

最初は2時間もかかった上、見た目も悪くさんざんでしたが、何度も繰り返しているうちにスピードアップしてきて、今ようやく1時間半。綺麗に仕上げるコツもわかってきて、かなり良くなってきました。

目標は1時間以内で、綺麗に美味しく作れるように。ストイックに反復するのみ。繰り返しているうちに、ある日突然出来るようになるはず。

毎朝、サンドイッチを作りながら、着付けも同じなんやろうね〜と考えています。

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帯もかたい、頭もかたい

父が存命の時は時短勤務にしてもらっていたので家で過ごす時間も多かったのですが、2月からフルタイムに戻ったので仕事の拘束時間が長くなり、疲れます。時間的なこともそうですが、時短勤務の時は免れていた業務が一気に下りてきて・・・毎日新しいことを覚えないといけないので、すぐ覚えられない頭のかたい私にとっては緊張の連続でして。はああ〜、早く慣れてしまいたい。緊張せずにチョチョイのチョイと出来るようになりたいわ〜。

そんな疲れる毎日を癒してくれるのが着物。毎晩、箪笥を開けて手持ちの着物や帯を眺めています。

ところで、「きものと日々の徒然」がっきーはんさんのブログで、袋帯の芯を抜いた記事を拝読し、おおお、素晴らしい!と感嘆しました。(リンクさせていただきます)

私の家にも、かたいかたい袋帯があるんです。右側の薄緑のほうです。お人に誂えてもらった大切な帯なのですが、かたくて重くて締めづらくて。悩みの種だったんです。



これ、帯芯抜けないかな、といつも思ってましたが、自分で抜けるとは知らなんだ!恥ずかしながら袋帯の芯って、全部解かないとはずせないと思い込んでたんだよね。仕立て直しになると。

がっきーはんさんの記事に背中を押していただき、私もチャレンジしてみました!



幸い、芯が縫い付けられているのは手先とたれ先だけでしたので、5分でスルスルッと抜くことができました。



両端を糸で閉じて完成! わーいわーい、身体に吸い付くようなしなやかな帯に変身。これは締めやすそう。好きな帯のかたさです。



「帯芯は入れるべき」というご意見もあり、長い間迷っていたけれど、はずして良かった。ぐーんとこの帯が身近になりました。

考えてみたら、帯芯を入れるも入れないも、その帯の素材によって違いますよね。芯を入れたほうが締めやすい帯と、入れないほうがいい帯がある。もちろん各自の好みで決めたらいいんですよね。

なんだかわけのわからない呪縛から解放された気分です。帯だけじゃなく、頭もかたかったというお話(笑)

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芸能社会のオキテ

母が歌番組好きなので、夕食のあとはよくBSの演歌、歌謡曲の番組を一緒に観ています。

さすが桜の季節。今日は女性演歌の方たちが勢揃いして、「夜桜お七」を歌っていました。まさに百花繚乱。左から伍代夏子、藤あや子、香西かおり、坂本冬美、城之内早苗、田川寿美、石原詢子。

ゴテゴテして大袈裟な着物を「演歌歌手のような」とたとえますが、それも昔の話。最近の演歌の方のお着物はとても洗練されてスッキリしています。一般人と境界線が薄れていますね。



「夜桜お七」ですので、この場の主役はもちろん坂本冬美さん。鮮やかなブルーの桜のお着物です。



私の推測(笑)

(坂本冬美さんが主役なので、後輩メンバーは桜がかぶらないよう無地に近い着物で控えてるわね。収録前にマネージャー同士で衣裳を調整してるか、あるいは先輩の楽屋に挨拶に行った時に「おねえさん、私はこの着物で大丈夫ですか?」と後輩自身で確認してるよね。ただし坂本冬美さんと同じぐらいのキャリアで個人的にも仲がいい伍代夏子さんは桜の着物を遠慮なく着てるよね。それでも色がかぶらないように気遣いしてる)



(ビジュアル的にあと1人ぐらい総柄の桜の着物がいるとバランスが良いから、本当は藤あや子さんに着てもらいたかったんじゃない?でも天然の藤さんが「ううん、私はこのピンクの着物がいいの」と言ったから、無地を着るつもりだった石原詢子さんが急遽訪問着に変えさせられたんだろうね)

以上は私の勝手な憶測ですので(笑)

先輩がお召しになる着物を見てから、自分が着るものを調整しないといけないから後輩は大変ですよね。おそらく若手のほうがたくさん衣裳を持参してるはず・・・。

でもこんなふうに主役や先輩を立てる気遣い、心遣いにあふれている演歌の世界が私は好きだなぁ。行儀悪い人はまずいないもん。



ちなみに同じテレビ番組でも、ひな壇のトーク番組などでは、事前にお互いの衣裳の調整はしないことが多いので、女性タレント同士のドレスがもろに被ることも少なくないそうです。本番収録5分前にスタジオに参集して、まったく同じ衣裳を着ている相手に遭遇して、慌てふためくことも多々。

そんな時は片方が違う衣裳に着替えに行くらしいのですが、では先輩と後輩、どちらが着替えないといけないと思いますか?

当然、先輩を立てて後輩が着替えに行くべきと考えますよね。ところがこの場合の正解は、先輩なんだそうです。先輩のほうが衣裳持ちのはずだから、先輩に着替えていただくんです。ここで後輩が着替えてしまうと先輩の面目丸つぶれ、生意気で失礼に当たるんですって。

おもしろいですね。

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グレーほど難しい色はない

先日、自分のブログで「白髪は無敵。白髪に派手なし」と書きましたが、それは綺麗な総白髪の方の話でしょうね。黒と白のミックスで、まだまだ中途半端なまだら白髪の私には、もちろん無敵の域には及んでおりません。

で、私にとっての最大の敵、攻略が難しい着物はこれだ!と気付きました。



そう!ダークグレーの江戸小紋です。手持ちのどんな帯を合わせても、どんな小物を持ってきても、顔が沈んであかん。まるで法事、お通夜のよう。

髪に艶があって肌も元気だった40代は、まだグレーを着こなせていたと思うんです。ひそかに赤い長襦袢を身につけたりして、我ながら色気があったと思う。

しかし50代で、グレーヘアになった今は、全然だめ。髪もグレー、着物もグレー、地味顔も相まって完全同化しちゃって、老け度200パーセント!おばあさん度フルスロットル全開よ〜(笑)

朝香沙都子さんの着物カンタービレにも、「グレーほど難しい色はない」と木村孝先生がおっしゃっていたと書いておられました。リンクさせていただきます → 

本当にそう思います。グレーでも、もっと明るい色を選べばよかったと今さらながら後悔。が、あの時は気に入ってたのだから、しゃーないか。きっと濃いグレーなら「吉凶どちらも着られてトクや!」と浅知恵で考えたんでしょうね、私のことだから。

まぁ、逆にもっと年齢を重ねて、それこそ総白髪になれば、また似合う日が来るかもしれません。法事の機会も増えるしね。ちなみにこの江戸小紋は単衣に仕立て直す予定です。

でも何とか、今の自分でも華やかに着こなせる方法がないかしらん。難しそうだけど、メイク、髪型含めて、攻略法を考えたいと思います。

しかし洋服のグレーは誰にでも合わせ易いはずなのに。洋服と着物は違うから面白いですね。

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