いつかは憧れの結城紬が欲しい。とっておきの一着を手に入れて、一生大切に着よう。お金を貯めて、できるだけ良い品を、この目で確かめ、実店舗で時間をかけて慎重に選ぼうと考えていました。
それなのに、あっけなくネットショップで買ってしまいました。仕立て上り、未使用、しつけ糸付きの単衣結城紬一万円がなんと半額の五千円だったので安易に飛びついた!(笑)
もちろん証紙は無し。ナンチャッテ結城紬の可能性覚悟の上での購入でしたが、シンプルな地色がとても好きだったのです。サイズも若干裄は短いけど身丈が大丈夫でしたので。
手元に届いてさっそく触ってみました。ん?先日、展示会で触らせてもらった結城と少し感触が違う。なんかこっちのほうが目が粗くて、ゴツゴツしてるような気がしました。飛び柄の白地のなかに赤い椿文が織られていて可愛いくて、どうやら80亀甲のようです。
まぁ、お値段がお値段ですからね。いくら古いお品でも本結城をこの価格では売らないだろうと思いつつ、何カ所か織り糸がループ状に飛び出ていて、いかにも手織りの素朴さが漂ってるんだよね。ひょっとして手織りのB反?だったらいいなと、希望的観測を持っています。
そして、もう少し目が詰まってる感じのものを買ってみようと、こちらの袷を。未使用、しつけ糸付き、サイズも合いましたので。お値段は少し高い。
55歳に梅模様は可愛いすぎると思ったけど、狂ってましたから(笑)。着なかったら、若い女子にもらってもらえばいいかなと。
うん、こちらも詳しい人に見てもらわないと何とも言えないですが、◯◯結城とか、産地が違う結城紬とかもあるみたいですね。そんな気も致しますが、こちらも証紙が無いのでわかりません。
とにかくすっかり結城紬にのぼせ上がっていた私。その頃、会った友達にもどれだけ結城紬が素晴らしいのかを熱く語っておりました。友達は「そんな、一歩間違えると寝間着に見える着物かなんわ、私やっぱりはんなりした京友禅みたいなんがいいわ」と言ってましたが。
私があまりにも「本結城が欲しい。本場結城紬が欲しいねん。でも高いねん」と繰り返すので、彼女がこう言いました。
「ほんなら実際に結城に足を運んでみて地元で探してみたら? 手が届かない高級品も、地元に行けば当たり前にあるので、案外お安く買えるかもよ」
彼女言わく。彼女の故郷が組み紐の産地らしい。全国では希少品として高額で流通している組み紐が、地元では身近すぎて、そこらへんの家にゴロゴロ転がっていると。そんな高く売られてるなんて地元民は誰も思っていないと。
「結城紬もそうなんじゃ?」
「いやまさか。でも、案外そうなのかな?もっとカジュアルな感覚かも?」
結城紬に対して憧れが強すぎるのも、関西からは産地が遠くてなかなか行けないからかもしれません。茨城県、栃木県って、大阪から遠く感じるもん。感覚的には北海道や沖縄より遠い地だもんね。
「そうか、一度産地を訪ねてみたいな。できれば地元で、この目で確かめて買えたらいいな〜」
でもでも、今の私の生活では遠出の旅は絶対に難しい。我慢我慢。寂しいね〜。(つづく)
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