先日、未仕立ての合戦文様の黒留袖について「弓の名手の那須与一らしき武将がいるので、屋島の戦いを描いているかもしれない」と書きました。

その後、時代考証のお仕事をなさっている方から直々にご連絡を賜り、教えていただきました。引用させていただきますと、

「那須与一らしきとありますが、与一なら左手に扇の的の小舟がないといけません。これは平敦盛です。右側の熊谷次郎直実の『引き返せ』との呼びかけに振り向くところでしょう。従って一ノ谷の合戦です。平家物語の巻九『敦盛』にあります」

とのことです。ご親切に教えてくださいまして、ありがとうございました。なんと敦盛でしたか。何度も歌舞伎の『熊谷陣屋』を観ているというのに、私は全然気付きませんでした😂

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さっそく『平家物語』を紐解いてみますと、この時の平敦盛のいでたちは

「練貫に鶴縫うたりや直垂に、萌黄匂の鎧着て、鍬形打ったる兜の緒をしめ、金作りの太刀を佩き、二十四指いたる切斑の矢負い、滋藤の弓持って連銭葦毛なる馬に金覆輪の鞍置いて…」

とあります。

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いやぁー、まだまだ自分は全然勉強が足りないなぁと思いました。着物を見て「一ノ谷の合戦。平家物語ね」とサラッと言える頭が欲しい!(笑)でも着物って、知れば知るほどいろんな発見があっておもしろいわぁ! やっぱり知識と教養はできればあったほうが、自分自身が楽しくなりそうな気がします。

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しかしながらこの直後、熊谷次郎直実が平敦盛の首をはねるんですよ。古典名作とはいえ、そんな物騒な物語が描かれている黒留袖、婚礼に着ていって良いものかしらん?

着物の文様は、人の命、生き死に関わる文様ほど格が高くなると聞いたことがありますが、そういう意味で正礼装として相応しいということなのでしょうか。


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