ご縁があり、いつかは欲しいと憧れていた熨斗目の着物を誂えることになりました。私にとって人生最後の経験になると思いますし、同じようにイチから着物を誂えてみたい方の参考になれば幸いなので、折を見て進行状況を綴りたいと思います。

前回の記事です ↓
着物を誂えることが決まり、まず最初に打ち合わせをしたことは、織っていただく作家さんを決めることでした。佐藤チアキ先生のご案内により京都の問屋さんに伺い、いろいろな作家さんの反物や織り見本を見せていただき、実際に触らせていただきました。

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日本には熨斗目の着物を製作される方が何人かいらっしゃって、ひと言で熨斗目と言っても作家さんによって布の質感が全然違うことがわかりました。どうやら熨斗目の着物をどの格で着用したいかを明確に決めることが、作家さんを選定する際の重要なポイントのようでした。

熨斗目は織の着物なので、艶やかな糸で織るなら訪問着寄りになるし、野趣ある素朴な糸で織るなら普段着に近いイメージになるらしいのです。問屋さんから教えていただき、その時まで着物の格を考えてなかったけれど、確かにそうですね! 同じ熨斗目でも訪問着として着るか、おしゃれ着として着るかでまったくテイストが違ってきます。

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私としては一世一代の一張羅ですので、できたら訪問着として着用できたらいいなと思いました。あ、でも私には、おしゃれ着のほうが良いのかしらん。さっそくチアキ先生にご相談。「普段着メインか、訪問着か、私ならどちらがいいと思われますか?」とお訊きしました。そしたら「訪問着としてお召しになったほうがいいと思います」とキッパリ! はあああ了解しましたぁ!先生に心酔しきっている私ですので、まさに鶴のひと声!背中を押していただき訪問着に決定しました。

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その日、見せていただいた織見本の生地が艶々で、今まで触ったことのないしなやかな手触りに驚きました。しわにならず、紬とは思えないような端正な質感に、こういう洗練された紬があることを初めて知りました。問屋の社長さんが推薦してくださった長野県松本市の染織作家の久保原由佳里さんの作品でした。

久保原由佳里さん! お若くてすごいキャリアのお方でいらっしゃいます。大学卒業後、東京の染織作家の柳崇さんに師事されたそうです。

柳崇さんのお着物です ↓
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さらに久保原さんが地元の松本市に戻られてからは、本郷孝文さんの元で修行なさったとのことです。

本郷孝文さんのお着物です↓
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久保原由佳理さんは、柳崇さん、本郷孝文さんの薫陶を受けて独立され、現在は同じく染織作家でご主人の大月俊幸さんと共に松本市で工房を構えておられるそうです。そんなすごいキャリアの気鋭の女性作家さんに熨斗目の着物を織っていただけるなんて夢みたい。なんて幸せな事なのかと思います。

最新号の『美しいキモノ』にも、久保原さんの作品が掲載されてました。着用モデルの女優さんも「今まででいちばん好きな装い」と絶賛されています。

久保原由香里さんの作品です↓
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これだけは断言できます。自分一人だけの力では、こちらの作家さんにたどり着くことは、まず不可能だったと思います。身にあまるご縁を繋いでいただき、チアキ先生と問屋さんには感謝の思いで胸がいっぱいです。

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