先日、和歌山で原清華先生の「リサイクル着物目利き講座 帯編」を受講させていただきました。眼福の三桁の逸品から、染め違いの残念な帯まで、先生がありとあらゆる帯を持ってきて見せてくださり、触らせてくださいました。

よく「これは良い帯ですよ」というフレーズを聞くことがあるのですが、その理由が私にはよくわからなかったのです。でも原先生の講座で、いろいろな帯を実際に目で見て触っているうちに、(あ、こういうことだったんだ)とストンと腑に落ちました。本当にありがとうございました。

講座のお写真は原清華先生のamebloからお借りしました。

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原先生はさすが京都の和装メーカーご出身、西陣織の現場の表も裏も知り尽くしてらっしゃると思いました。現場にいらした先生ならではのコアな西陣織のお話もしてくださいました。先生の講座をまるでシャワーを浴びるようにお聞きした後、私は感じました。

(あれ? 今までわからなくて苦手で避けてきた西陣織の帯が、急に身近に思えてきたぞ。帯のこともっと知りたくなってきたよ。ちゃんと西陣織に向き合おう)

と思いました。これは自分にとって革命的な出来事!実は私、日本の帯の80パーセントを生産してきた着物好きにとって重要な産地の西陣織のことがよくわからなくてモヤモヤして苦手(嫌いという意味ではない)でちょっとアレルギー気味だったんですよね。

関西人あるあるだと思うけど、京都の知り合いで「親戚が西陣織関係やねん」必ず3人はいてるでしょ? ちなみに私もかつて嫁いだ先(戻ってきた😆)が西陣織関係で、お義父さんが一人工場で黙々作業していたことを覚えているけど、それがどの工程だったのか今となってはわかりません。まぁ、とにかく京都には西陣織に関わっている方が大勢いらっしゃって、それも謎のひとつでした。

きもの文化検定の勉強でも、西陣織の項目が出てきたら、身構えとった(笑)。そもそも私自身、帯にかんしては産地とか織元とかブランドとか、ほとんど気にしてこなかったのでね。なにせヤフオクで帯を1円で落札して、(いい帯安くゲットして幸せだぁ♡)と充分満足していた女ですから。

はっきり言って今まで産地など気にせず好きだと思った帯を自由に選んできました。が、今年古布の店で本場結城紬を購入した時にオーナーさんから「結城紬に相応しい帯、釣り合う帯をお持ちになってる?」と心配された時に、あらためて(本場結城紬に釣り合う帯って何だろう)と考えました。

本場だろうが地機織りだろうが普段着扱いの結城紬に、格の高い金糸使いの袋帯が合わないのはわかる。ならば本場結城紬の証紙と同じように、西陣織のメガネ証紙がきちんとついている名古屋帯か洒落袋帯が相応しく釣り合うはずよね、と思いました。たとえば龍村美術とか、川島織物とか、洛風林とか、帯屋捨松とか、織悦とか、ですよね?(他にもたくさん!)

はあああ〜、良かった。原清華先生のおかげで、ようやっと私も西陣織に対して真正面から学びたいと思うようになりました。本当に苦手だったんですよ、高いし。値段も敷居も(笑)。

でも高い帯はやっぱり手が込んでいて、ちゃんと理由があることも解りました。私には手が届かないかもしれませんが、せめて帯作りに携わっている方々の心意気を感じとれるようになりたいですね。

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