三連休最終日、着物好きのお金持ちの奥さんから「久しぶりに古布の店に行く?」とお誘いいただきました。

「もちろん行きたいです!でも今回は拝見するだけにとどめておきます」
「あら、どうしたの」
「だって絹物は増やしすぎましたもん。見せていただくなら上布とか麻とか」
「へぇ〜、そっち方面に興味が向いているのね。とにかく参りましょう」

ということでお店に伺いました。オーナーさんに開口一番「サイズは合わなくても結構ですので、上布や麻を見せていただけませんか」とお願いしましたら、「夏物はもう仕舞い込んでしまったけど・・・ちょっと待っててくださいね」とおっしゃって、奥から十数枚ほどの麻の着物を出してくださいました。

「材料ばかりですわ。着用するのはサイズ的にも難しいかも」
「大丈夫です」と答えながら、一枚一枚布を拝見しているうちに、一枚の着物のところで手が止まりました。

「このロウ引きのツヤみたいな。宮古上布ですか?」と私。
「違うと思います」とオーナーさん。

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「ちょっと失礼」と、さっそくチアキ先生の上布講座で教えていただいた見分け法を実践してみました。
「宮古ではないですね。能登ですか」
「そうだと思います。証紙はありませんが」

横からお金持ちの奥さんが「あたくし全然上布とかわからないけど、この着物はいいわ。Jガールさん、羽織ってごらんなさいよ」
「いや、今日は見せていただくだけで充分ですので」
「いいからいいから、羽織ってみてよ」

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おそらくサイズは全然合わないと予想していたのに、意外と身丈が長くて裄を少し出すだけで大丈夫と思われました。最近のお品かもしれません。

「いやだ〜、ぴったり!よく似合ってるわよ」
「本当。夏物だから裄を出さなくてもいいぐらいですよ」
「わかりました。いただきます!」

めーっちゃ、嬉しい!!!でも複雑(笑)

嬉しいと同時に罪悪感のような感情が湧きあがってきました。これは私だけなのかな?  大好きな着物が増えることは嬉しいには違いないけれど、同時に(また増やしてしまった)という罪悪感にさいなまれるんです、私。

今日は、この着物を増やすことの罪悪感についての考察を書こうと思っていたのですが、すご〜く長くなりそうなので次回に改めます。