昨年の話ですが、サイズが微妙に合わない着物7点、道行1点をご近所の和裁士さんにお願いして、すべてマイサイズに直していただきました。


裄出し、身丈直し、袖丈直し、袷から単衣に。完璧に仕上がってきた着物を手にした時、心から嬉しくてね。本当に喜びが大きかったです。個々のサイズの不満を解消させただけで、すべての着物が燦然と輝き、愛おしさが増しました。

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裄が短くても、身丈が足りずサイズが合わなくても、工夫して素敵に着られるのが着物の良いところだと思うのですが、やっぱりサイズを重要視しますね、私の場合は。


というのも私にとっては心の問題なんです。若い頃、大柄で太っていて規格外のサイズだったにもかかわらず着物を誂える財力がなく、プレタの着物を着ていました。昔のプレタ着物、小さかったですからね。おはしょりがたくさん出て、手首までしっかり袖がおおっている友達が心から羨ましくてたまらなかったです。ずっと自分の体型を恨んでました。


長襦袢も小さく、草履も小さく、いつも着姿がつんつるてんで、コンプレックスの塊になっていたと思います。着物は好きなのにサイズがトラウマで卑屈になっていました。


あれから30数年経った今も、えらいもんでトラウマが消えないんですねぇ。ちょっとでも裄が短いと気になってしまってしょうがない。どんなに気に入った着物を着ていても、裄が短いという一点の曇りで、まったく自信が持てなくなってしまうのです。


着物を着るなら、他人からどう見えるかより、自分自身の心持ちが大切だと思うんです。どうせなら晴れ晴れとした気持ちで堂々と楽しく着たいじゃないですか。


先日、着てみた白樺の付下げも裄を出してサイズがピッタリになり、コンプレックスから解放されて心が晴れて気分がいいのです。

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着物におく価値観は人それぞれだと思いますが、そういう理由で、色より柄より、私にとってはサイズが一番大事なんですよ。