いつか本場結城紬をこの目で見て、触ってみたい。できれば産地に行って、結城紬が生まれた歴史や風土を肌で感じてみたい・・・そう願いながら行き方などをネットで調べていました。東京からだと日帰りで行けるのですね。でも親の体調を考えると今は難しい。

そんなときに見つけました。なんと大阪で第9回本場結城紬展「糸 -ito-」(本場結城紬振興事業実行委員会)が開催されることを!

これはなんとしてでも行きたい!万障繰り合わせて、万難を排して、絶対に行く!ちょうど父の用事で大阪市内に出かけることになったので、日を合わせて行ってまいりました。

もう入り口で看板を見ただけで、ドキドキです。



受付で「招待状がなくても拝見できますか?」と訊いたら「どうぞどうぞ」ととても親切に対応してくださいました。受付横には本場結城紬の白生地が展示。これ、地機(手織り)だよね。すでに興奮して倒れそう(笑)



会場の手前では、真綿かけ〜手つむぎ〜絣くぐり〜たたき染め〜地機織りの、本場結城紬の5工程が実演されていたので、涙がでるぐらい嬉しかったです。

うわー、うわー!チヨがいる!有吉佐和子「鬼怒川」のヒロイン、チヨだ!!!本当に全身の力を込めて織っているのですね。



結城紬にかんする資料もたくさんあったので、頂いてきました。本当にありがたい。会場に来ていたお客さんのほとんどが結城紬をはじめ素敵なお着物姿でした。呉服屋さんとご一緒の方も。そんな優雅な雰囲気のなかで、介護から抜け出してきたような全身カジュアルでやって来た私。

場違いで恥ずかしかった。出来るだけ存在を消して、目立たないように、お邪魔にならないように、そ〜っとお着物を拝見して帰ろうと思っていたのですが。



なぜか一番偉い会長さんみたいなダンディな方が、何度も何度も私に話しかけてくださり、本場結城紬のことを懇切丁寧に説明してくださったので、嬉しいやら戸惑うやら(笑)

招待状も無くみすぼらしい私になぜだろうと思いましたが、きっと私の全身から、本場結城紬を知りたい!結城紬に憧れてます!という尋常ではない熱意が溢れていたのでしょうね。完全に目がハート型になってたからね。

奥の畳スペースではたくさんのお着物と反物が展示されてました。すごいよね〜。すべてが本場結城紬の純正品。ここでは(ホンモノかしら?)なんて心配は一切無用。夢みたい。

しかしあまり時間もないので、お着物を拝見したら失礼しようと思っていたら「ぜひお召しになってみませんか」と声を掛けていただく。「いえいえ、見るだけで充分です」と遠慮してたら、「そんなことおっしゃらずにどうぞどうぞ」とアレヨアレヨと鏡の前に。

洋服の上から、藍色の本場結城紬を着せ付けていただきましたが、夢みたい〜夢みたい〜、興奮して卒倒しそうでした。はああ〜柔らかくて軽くて、雲の上を歩いているような着心地です。

写真のなかに本場結城紬を着てる人が5人も写ってるのもすごい。



そして100山亀甲の茶系の反物を当てさせていただきました。個人的には黒が欲しいのですが、似合うのは茶系かもしれません。

あまりにヨロコビすぎて、二重太鼓ならぬ二重アゴになっている(笑)



「せっかくだからたくさんお召しになってね」とご親切に言ってもらったのですが、これ以上着ると興奮しすぎて死んでしまうので(笑)

奥に貴重な160山亀甲の反物も展示されてましたが、畏れ多くて端っこを触ることもはばかられました。はあああ〜なんて眼福、濃密な世界観が素晴らしい。1時間しか滞在できませんでしたが、あと5時間ぐらい居たかったです。



アンケートに答えたお土産として、貴重な本場結城紬のコースターを頂いたのも嬉しかったです。宝物です。大事にします。そして購入するときの指針にします。

すごく楽しかった本場結城紬展。ますます結城紬に対する憧れが強くなりました。結城紬、だ〜い好き!

私はできるだけ袷の着物は増やしたくないのですが、あと一枚だけ、本結城だけは欲しいです。今回、本場結城紬展にうかがって、お値段の相場もわかりましたが、充分納得しています。とはいえ無い袖は振れないので、今後、リサイクル等で良い出会いがあることを祈っています。

良い出会いに巡りあえますよう、コツコツ誠実に生きていこうと誓った、三か月間にわたる結城紬狂いの締めくくりでございました。

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