群ようこ著「還暦着物日記」(文藝春秋)に、気になる一文がありました。詳しくはぜひとも本を読んでいただきたいのですが、要約させていただくと、


・男性が着物を着ている女性を見て、小馬鹿にしたり、自慢をしに来たといったり、露骨に劣情を催したりということがある。彼らの頭のなかには、着物は高いというイメージしかないので、そういう発言になるのだろう。


・反面、女性が着物を着ていると丁寧な扱いを受けるのも事実である。


・どちらも着物が今の世の中で特別だから起こる。逆に着物を着ている人に対して、社交辞令をいわなくてはならないような雰囲気になってしまうのも問題ではある。


さらに群さんは「自分が他人によくしてもらいたいために着物を着るのは、さもしい考えだと思う」と書いておられました。


さすがというか・・・。着物を着ていて、理由はわからないけどなんかモヤモヤするな〜と常日頃から感じていたことでした。


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昨年10月、ホテルの大宴会場で催されたランチ付き講演会に着物で参加しました。席は円卓だったのですが、あいにくお友達とテーブルが離れてしまい、両隣は知らない男性が座っていました。男性同士も知り合いではありません。それぞれ一人で着席している形です。


食事の時、右隣の男性とも、左隣の男性とも結構長く話をしたのですが、お二人とも私が着物を着ていることについて一言も触れなかったので、心底ホッとしたというか(笑)社交辞令なんか言われたら、すごくいややなと。


洋服と同じように普通に接してもらえたことが本当に嬉しかったんです。


この時の着物です。まあ、社交辞令も言いにくい、地味な着物ですけどね。絶世の美女ちゃうし(笑)


過渡期に重宝した袷の大島紬


私もその日は周囲のビジネスパーソンに馴染むよう、(精一杯おしゃれを心がけつつも)意識してコーデを抑えて行ったので、知らない人から着物をほめられなかったことに大満足。ヤッター!うまくいったとほくそ笑んでいたのでした。


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